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スマキ三行

素人があれこれ手を出してみるブログ

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時は如何に移ろい行くか


今回読んだのはタイムトラヴェルもののSFです
タイトルは「超人類カウル」作:ニール・アッシャー、訳:金子司
選んだ理由は単純明快「表紙が格好良かったから」
内容は22世紀の男女二人(+α)が「トー」という生体タイムマシンに寄生され
半強制的な過去への時間旅行へと連れ出される
その中で「アンブラセイン」と「ヘリオセイン」という二つの勢力間での時間を超えた戦争
そしてトーをばら撒いた、彼らの旅の元凶とも言える超人類カウルの野望
それらが絡み合い、地球上に生命が誕生した瞬間「ノーダス」へ向け収束していく
というお話

一言で感想を述べれば「面白いけど難解すぎて疲れる」といった感じですかね

22世紀人の二人は旅のごく初期に分かれ
一方はヘリオセインのトラヴェラーと出会い、未来人の時間戦争に巻き込まれ
もう一方はトーを用いたタイムトラヴェルの中で、歴史でのみ知る過去の場面へと次々放り込まれていく
という二つの視点で語られ、登場人物が増えるにつれ、さらに多くの場面が同時に展開されて行きます
それ故、必然的に場面転換も多くなり、さらにその度時代が変わるものだから
状況をイメージ出来るようになったと思ったらまた場面が変わり
主要キャラクター以外はほぼリセットしてやり直しという
なかなかハードな頭の体操をする事になります
それと平行して時間戦争についても語られていくわけで
脳へかかる負荷は普段とは比べものにならないものになっていました

とは言え、題材の面白さや時間旅行の行く末、超人類の思惑など
読み進める理由もたっぷりあった為に最後まで読むことはできました
しかし、どうにも最後まで「流されていた」感が強く、深く入り込めはしなかったのが少々残念ではあります
なんと言うか……映像化したら面白そうなんだけどなぁ。というのが正直な印象です
心情面よりビジュアルのが重要そうですし、コレ
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フムン


前回の更新以降に読んだ本について、記録しておこう
 現状、電子工作は予算不足につき凍結中。現在はLED電灯の制作のみ行っております

敵は海賊・猫たちの饗宴」(ハヤカワ文庫,神林長平 著)
前作とは雰囲気が変わり、海賊課のアプロとラテル、それにラジェンドラがメインのお話
CAWシステムの執筆とされる「海賊版」のやや硬い雰囲気から、コメディ色の強いものへと変わっています
海賊課(主にアプロ)がバカ騒ぎをやり、合間に匋冥サイドのシリアスな話で空気を引き締めるといった感じ
それと、今回は大きく3つに分れており、テンポよく読み進める事ができ、海賊版より読んでいて楽しかったです
俺自身が、コメディ寄りの短編を好きなんでしょうが
この作品は89年にアニメ化しているとか……レンタルビデオ店に置いてないかな、もう無いか

魔性の子」(新潮文庫,小野不由美 著)
十二国記の泰麒が日本に戻ってた頃の話ですね
異質であるが故に受け入れられない、理解し合うことが出来ない
そんな感じの内容を、生々しく(少なくとも、私がそう思える描写で)描かれています
結構黒い話だし、救いもそう無いので人を選びそうではありますね
ともあれ、ホラー的な本としても、個人的にはなかなか面白かったです
それで……十二国記の新刊はいつ出るのでしょうか?

なんか、本読んでる割に表現上手くないなぁ
飛躍しがちな発想がいかんのだろうか

端書き
 最終話付近をフラッパーで読み、面白いと思った「70億の針」も2巻まで購入
 こういう雰囲気の作品って結構好きなんだよなぁ……と思っております
 ところでガンガンの新連載、これと設定似てね?
 いや、今後の展開はまるっきり違うだろうけど、タイムリーだったので

読み終えたー

先日、半分ほど読んで微妙だと言っていた「敵は海賊・海賊版」を読み終わった。昨日
結論から言えば、なんだかんだで面白かったです
やっぱりキャラクターやそれを取り巻く世界をなんとなくでも理解して、その上で話が動き出すと面白い
「ええっ、いきなり死ぬの!? アレが見えるのが鍵になると思ったのに」と考えていると
その後でそれをひっくり返し、さらにその意味まで示してくれるという展開は「こう来るか」と楽しめたし
和解しないと思ってたあいつらは「自分を支配するものが許せない」という度々出ていた彼らの本質故に
神と喧嘩するためにあんな事までやりやがりるし、いや本当、中盤からどんどん面白くなって行きました
こりゃ、一緒に買った二作目「敵は海賊・猫たちの饗宴」にも期待できそうだな

宇宙海賊と猫


俺は、スペースオペラとは相性が良くないのかもしれない
「ライトジーンの遺産」が面白かったので、同じ作者の「敵は海賊・海賊版」を読んでいるが、どうにも話に入り込めない
序盤に連発される略語だとか、世界、キャラクターといったものを理解するのにちょっとした時間がかかり、それが読み進めるテンポを悪くしているのだと思う
ともあれ、読み進めれば先が気になる展開になり、人物同士の掛け合いもなかなか面白い

短篇連作か、文庫一冊で1エピソードかという違いのためかも知れないが、今作はややスロースターターな印象を受けた
残り半分でどのような展開を見せてくれるか、それが目下の楽しみであり、次に何を読むかの判断基準にもなりそうだ

正しい遺伝子


「ライトジーンの遺産」(朝日ソノラマ、神林長平 著)
今日の本は久々の大当たりだ。一言で言えば、酒が飲みたくなる
これだけ言うと何の事だと問いたくなるが、実際そう思ったのだから仕方がない

臓器崩壊という、体の一部のみが、勝手に寿命を迎える現象
原因不明のそれが、世界中の人間に表れるようになり
人工臓器を一つも入れていない人間の方が珍しい世の中
その一方で、超能力に目覚めた人間「サイファ」が登場する
主人公のコウは、世界に二人だけの、狭義にして最強のサイファの一人だ

酒と本を愛する自由人のコウが、市警中央署第4課の刑事と共に
人工臓器メーカー絡みの事件に関係していくハードボイルドSF

全7話からなるこれは、簡潔にまとめつつも
独特の雰囲気や皮肉めいた言い回しがあり
どんどんその世界に引き込まれていく感じがした
キャラクターと世界、作品内の全てが抜群のセンスで組み合わされ、見事に調和しているのだ
シリアスな本筋も、合間に挟まれるコミカルな部分も、作品のイメージを崩すことなく、それでいて面白い
傑作というのはこういうものを言うのだと、一話目に「皮膚呼吸くらいで死ぬわけねぇだろ」と思ったのも忘れて真剣に思った程だ

彼の他の作品も、是非探して読みたいものだ

ああ、それと
これに影響されてウィスキー買ってみました、スーパーで一番安かったサントリーのトリスウィスキー
ラムレーズンっぽい香りで結構いいかも知れない。飲んで即むせたけど

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